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長女のこと 97~100:元気になったらいっぱい食べる

97. 会いたい人

長女が再入院した 数日後 主治医と 話をした際に
Y医師👨‍⚕️「お嬢さんには   もう あまり時間がありません。
  会っておきたい人が居たら  早めに 呼んであげて下さい
。」
そう 言われた。

その時には
『なんで・・・。』
そんな思いしか 無かったが
刻一刻と 体調が悪くなる長女を見て Y医師の言った意味を理解した。

「病院に来て欲しい人 居る?」
長女元気になって  退院したら 会うから いい・・・

もう 小さな 小さな声しか 出せなかった。

そして 体調が悪い姿を 見られたくなかったのだろう。

「そうだよね!    退院したら 会えるもんね!」

希望を込めて 努めて 明るく言ったが
それが 叶わないであろう事を わかっていた。

長女でも・・・ (同じ歳の従兄弟の)空くんにだけ 来て欲しい。
「わかった!すぐ 聞いてみるね!」
すぐに 連絡した。

長女には たくさんの いとこがいる。
その中でも 友達に会いたくても 会えない 長女にとって
空くんは 同じ歳だから 特別だったのかもしれない。

怖がりの三女が作った節分の鬼👹のお面全然 怖くないですw
皆様に 春が訪れますように

98. 空くん

すぐに 私の兄が いとこの空くんを連れて来てくれた。

学校を早退して 来てくれた空くんは ルンルンだったが
お正月🎍以来 3カ月ぶりに会った 長女が あまりに変わっていて 驚いていた。

長女は 簡易ベットに寝た状態で 面会室へ行った。
もう 車椅子に座ることが 出来なかった。

空くん「のんちゃん 久しぶり〜 具合 悪そうだね 大丈夫?」

長女うん。 ちょっと 具合悪いけど 大丈夫!

いつもと変わらない会話が 嬉しかった。

空くんは
長女が病気になった事は知っていたが 詳しいことは 知らなかった。

だからこそ 長女に いつも通り接してくれ 長女も いつものように 笑っていた。
本当にありがたかった。

久しぶりに 長女が笑っていた。

でも 長女の 小さな小さな声は 9歳の元気な男の子には なかなか聞こえず 私が通訳していた。

私には 空くんの元気が 眩しかった。

同じ時期に生まれて よく会っていたから 尚更 どこで こんなにも差が出来てしまったのだろう。

 娘が 何か 悪い事をしたのか?
 何が悪かったのだろう?
 なぜ 娘なのだろう?
そんな事ばかり考えていた。

空くんは 持って来てくれた プリン🍮を2個食べた。

長女は 一口食べてむせてしまい 吸引カテーテルで吸引した。
もう 自分で 咳をして 出すことが出来なかった。

長女プリン🍮は 後で食べる!

その後も 空くんと一緒に過ごせた事を 喜んでいた。

病室に戻ると 興奮気味に

長女空くんは 元気でいな〜
  のんちゃんも 元気になって  プリン🍮いっぱい 食べるんだ〜

小さな小さな声で 一生懸命 話してくれた。

プリン🍮は 食べられなかった。

長女が小さい頃 使っていた リュック今は 三女のお気に入りです

99. 配慮

程なくして夫の兄夫婦から連絡があった。

兄夫婦「(自分たちの)子どもにのんちゃんとお別れをさせたいからお見舞いに行きたい。」と。

長女は兄夫婦の家のMちゃんを沢山いる従姉妹の中でも一番大好きだったし、
憧れていたからこそ具合が悪い姿を見られたくないだろうと、私には わかっていた。

メールを読んで悲しくて長女の前で泣いてしまった・・・。

長女ママ どうしたの?
私「なんでもないよ〜」と伝えながらメールを返信した。。。

『のんちゃんは 治るつもりでいます。
 そんな娘に一方的に最期のお別れを言われたら娘が可哀想です。
元気になったら会うつもりでいるのでお見舞いは遠慮して頂きたいです。」

気持ちは伝わらなかった。
わかってもらえるはずはない。

『のんちゃんママがそう言うならお見舞いは遠慮しますね。』と返信が来た。

私は娘が脳幹部グリオーマという病気になったから病気の子の母の気持ちがわかるのであって
義姉のように自分の子が元気だったら平気で
『最期のお別れを言いたい』
なんて連絡するだろうか?
何度も考えた。
やはり私なら私の家族ならしないだろう。

長女が闘病中履いてた靴下が 出てきました!懐かしくて 履いて温まっています。

100. 食べれない

長女は元気な時から食べることが大好きだった。

離乳食でお魚を食べていた為かお魚が大好きで 私の母👵が煮てくれた鯖の味噌煮やメダイのお頭が 特に大好きだった。

私は
長女がニコニコしながら食べている姿が大好きだった。
長女が笑っている姿を見るのがとても幸せだった。
美味しそうに食べる長女がとても幸せそうだった。

しかしこの時、長女はもう飲み込めなかった。

食べたいけど、食べられない。

喉が乾くけど、飲み込めない。

小さな 小さな声で
長女食べたいのに・・・。」と泣いていた。

看護師さんが「アイスクリーム🍨とか 凄く冷たいものだと
麻痺しているところが麻痺して飲み込みやすいみたい!

そう 教えてくれた。

前回の入院時には一緒に行っていた病院内のコンビニに一人でアイスクリームを買いに何回も通った。いつもなら買わなかった高級アイスクリーム🍨も何度も買った。
食べさせてあげればよかったと 私が後悔しないように。

アイスクリームを食べさせてあげながら片手には常に吸引のカテーテルを用意して。
むせてしまったら 咳き込めない 長女の呼吸を確保する為に。

しかし大好きなアイスクリーム🍨も 食べられなくなってしまう。
吸引しても 吸引しても むせてしまう。

私「もう 今日は無理だよ・・・。」
長女「食べたいのに・・・   食べたいのに・・・。」

小さな小さな声で 泣いている長女
私「また 具合が良くなったら  食べようね。。。」

私は 嘘をついた。
そんな日が来ないであろう事を知っていたから。

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