9. 驚き
三女の心臓カテーテル検査の後
小児循環器内科の先生が気になることを言っていた。
小児循環器内科の先生「カテーテル検査中に不正脈が起きてしまいましたが 今は大丈夫ですから。詳しくは明日説明します。」 と。
翌日朝から夫と一緒に病院🏥へ向かった。
幸い台風は夜中に通過していた。
GCUに着くと三女がココットの中でいつものように寝ていた。
小児循環器内科の先生がすぐに来た。
小児循環器内科の先生「昨日のカテーテル検査の結果ですがやはり肺動脈閉鎖で間違いありません 。
ただ、動脈管が狭くなっています。点滴が効かなくなる前にシャントをしなければなりませんので急ですが、明後日緊急で手術になります。
この後心臓外科医から手術の詳しい話がありますので、手術についての質問等は心臓外科医に聞いて下さい。
それから 昨日の検査中に不正脈が起きて 一時的に心臓が動かなくなったので電気を流しました。
その後不正脈はないのですが呼吸が不安定になったりでGCUではちょっと大変なので今日中に循環器病棟に移動しますので。」
えーーーーーー!!!!!の連続でした。
検査だから!と安易に考えていた夫と私。
前日から今朝にかけてそんなに大変だったとは想像もしていませんでした。
期間限定という言葉に弱い私。
今回のハーゲンダッツは3つとも好きな味。
悩みそうです
10. 心臓外科
小児循環器内科の先生から衝撃の話を聞いた後、すぐに小児心臓外科の先生が来た。
ロマンスグレーの素敵な口調の優しい先生だった。
三女の心臓の状態を説明して下さり
画像お借りしております
「動脈管が狭くなってきているので、動脈管が閉じてしまう前にBTシャントで血管を繋いで肺に行く血液の流れを確保します。
で、一歳前後位を目安にラステリ術で(心室中隔欠損を閉じて、肺動脈を作る)通常の心臓の血液の流れになるように再度手術をしますので。」
と 説明して頂いた。何度も丁寧に。でもやっぱりよくわからなかった。
私「肺に行く血液がほんのちょっとだけど大丈夫なの?」とずーっと思っていた。
最後に小児心臓外科の先生「質問等 ありますか?」と。
何を質問して良いのかもわからなかった。
でも
私「あの・・・、長女が2年前に小児脳幹部グリオーマで亡くなっています。
長女は治すことが出来ませんでした・・・。
だからこそあの子(三女)は元気にしてあげたいんです。どうかよろしくお願いします。」
泣きながら夫と一緒に頭を下げた。
小児心臓外科の先生は 長女のことをご存知だったようです。
産後も長女のことや親族に小児がんの子が居ないか何度も聞かれたから。
後に心臓病の子が小児がんになると、どちらの治療も厳しくなると知りました。
小児心臓外科の先生「全力で頑張ります!」涙を浮かべていた。
祈ることしか出来ない自分の無力さを夫も感じていたと思う。
11. 試練
循環器病棟に移動した。
広い4人部屋の廊下側の大きなベッドに小さな小さな三女がいた。
足🦶に付けた点滴とモニターと鼻から経管栄養のチューブが付いていたが至って元気そうに見えた。
一人でポツンとベッドに寝ている姿を見て切なくて家に連れて帰りたかった
元気そうに見えるけど元気ではない。
“手術をしなければ家には帰れない”
生まれる前からわかっていたが現実に心がついていけなかった。
小さな体で手術を乗り越えなければならない事への申し訳なさが溢れてきた。
手術当日、新生児の三女は全くわからない状態で看護師さんに抱っこされて手術室へと向かって行った。
泣かれたらなおせつなかったと思うが何もわからずに大きな試練に向かわせるのも申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
手術当日新生児らしくてぽっちゃりしていた。
12. コツのいる手術って?
生後二週間でBTシャントという手術を受けた三女
手術の前に小児心臓外科の先生からは
「よく行う手術です。
それほど難しくはないのですがコツと言いますか経験が必要になります。
上手くシャントが機能してくれれば今回だけで次の手術まで大丈夫ですが、
上手くシャントが機能してくれないと左側にももう一本シャントを入れなければならないので。
そういう意味でコツがいる手術です。」
そう説明を受けていた。
“難しくはない手術”
そう言われた事を真に受けていた。
それは心臓病の中では!!という事だったことに後で気づきました。。。
手術室に入ってから5時間程経って呼ばれたNICUの一番奥の感染症予防の部屋に
大きなベッドに沢山の管が繋がった別人のような三女がいた。
初めてのわが子の手術。
想像以上の姿に元気に産んであげられなかった申し訳なさが込み上げてきた。
たくさんの管とたくさんの薬の絶妙なバランスで生命が維持されていた。
13. 麻酔
手術した日は麻酔が効いているので本人はあまりわからない。
手術当日に頑張るのは先生方で翌日以降麻酔が切れてからが本人の戦いのように思います。
三女も手術当日は麻酔が効いていてずっと寝ていました。
呼吸や心拍の乱れがあったようで翌日もずっと麻酔で寝ていた。
“起きても痛いだろうから 寝ていた方がいい”そう思ってずっと側に居るだけでした。
翌日(BTシャント手術後2日)NICUに面会に行くとまだ寝ていた。
NICUの看護師さん「麻酔を切ったので午後には起きてくると思うのでお母さん声を掛けて起こして下さい」
そう言われ何度も声を掛けるが全く起きなかった。
“傷も痛いだろうし無理に起きなくても。”とも思ってしまった。
目が覚めても抱っこも出来ない。
でも目が覚めないと人口呼吸が取れない。
しっかり目が覚めないと腸が動かずミルクも飲めない。
そう言われてもやっぱり傷が痛いだろうから寝ててもいいのに・・・と思っていた。
・・・管理人のつぶやき・・・
去年の紅葉の時期に 乗鞍岳登りました。
平日の山は静かで穏やかで心が休まります。
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