長女のこと:生きるということ 感謝

108. 苦悩

5月21日 金環日食
昨夜から手に力が入りぎみで痙攣のため早朝に手が動き 9時頃 坐薬使用。力が抜けきらない様子。
PMサチュレーション50台
呼吸が辛そうだけどよく頑張っている。
この頃には脳幹部の生命維持に繋がる神経が癌細胞に侵されていたため生命を維持することが難しくなっていました。

5月22日明け方
再度サチュレーション50台。
深夜勤務の看護師さんが痰をこまめに引いてくれたので、朝まで気づかなかった。

5月23日
起床時から超ゼロゼロ痰が絡みヒーヒー呼吸が苦しそう。
PM3時頃やっと落ち着く。その後朝まで寝ていた。

手帳に書いてあったメモは5月23日が最後です


生きようと必至で頑張っている長女おねがいに『頑張って』とも『もう十分だよ』とも言えず、なんて声を掛けたら良いかわからなかった。

ニュースで金環日食を観測している元気な子どもたちの姿を見て違う世界にいる気がしていた。

109. 生きるということ

5月24日夕方
院内学級の先生が長女おねがいの病室に来て下さった。

先生はいつも通り長女おねがいに声を掛け
先生「のどかちゃん!今日は国語の教科書を読むからね〜!
そうおっしゃった。

瞼も動かすことが出来ない長女おねがいに聴こえているとは思えなかった。

私「先生 もう娘には聴こえていないと思うので・・・」

先生「でも・・・。読ませて下さい!
先生はそう言って4年生の国語の教科書を読み始めた。

白いぼうし

先生は長女おねがいに語りかけるようにゆっくり読んで下さった。

聴いていた私の身体に甘酸っぱい夏みかんの香りが広がった。

読み終えると先生「じゃあ のどかちゃん また来ますね〜

いつものように声を掛けて帰って行かれた。

院内学級の先生や看護師さん達が どうしてあんなに体調が悪い長女おねがいに院内学級に行けるようにしたり、先生が病室に来て授業をして下さるのか、やっと理解出来た。

長女おねがいの最後の望みは “学校に行ってみんなと一緒に勉強がしたい!” という事だった。
どんなに具合が悪くてもその人の尊厳を尊重して最期の最期まで長女おねがいの気持ちに寄り添うことが大切なのだという事を私はやっと理解した。

それが生きるという事。

生きるために 一生懸命頑張っている娘のために 私に出来る事が何か やっと理解出来た。

白いぼうし画像をお借り致しました
長男ニヤリと次女ニコニコが白いぼうしを学校で習って音読してくれました。
全身に甘酸っぱい夏みかんの香りが広がり
長女おねがいのアルコール消毒のにおいが思い出されました。

110. この闘病に携わった たくさんの人たちへ 感謝します

5月25日
朝から長女おねがいの耳元で本の読み聞かせをした。

私「続きは明日読もうね!」長女おねがいに声を掛けた。

一日中呼吸が不安定だったが、夜中の吸引に備えて21時半頃寝始めた。

しばらくして長女おねがいの モニターの警告音で夫と共に飛び起きた。
22時頃だった。

その日の夜勤は大好きな飯塚看護師さんだった。

いつも一生懸命、長女おねがいのことも、私のことも気にかけて下さった。

看護師さん「起こしてしまってすみません。音小さくしていたんですが。のんちゃんのサチュレーションがなかなか上がって来なくて。

何度も吸引して下さっていた。

心拍も下がってきていた。

看護師さん「先生呼んできますね・・・。

夫も私も覚悟していた。

夜勤の担当の医師が延命治療の確認をした。

夫は「全部外して下さい・・・。 娘を抱っこしたいので。
そうお願いした。

経管栄養のチューブが取れた長女おねがいの顔を久しぶりに見た。

久しぶりに抱っこした長女おねがいは両腕に抱えきれないほど大きくなっていた。

赤ちゃんの時にいつも歌っていた子守唄を歌った。

夫と私は「いっぱい頑張ったから ゆっくり休んでね。本当にありがとう。」何度も何度も伝えた。

きっと私たちが娘とお別れする覚悟ができるまで長女おねがいは待ってくれたのだと思う。

心から “ありがとう” と言える時まで長女おねがいは 頑張ってくれたのだと思う。

呼吸が出来なくなっても、なお 長女おねがいは数分後に大きく何度か呼吸していた。

あれは “ありがとう” そう言っていたのかもしれない。

日付けが変わった頃 長女おねがいは 私の腕の中で安らかな眠りにつきました。

抱っこしていたので 私は長女おねがいがお腹に戻ったような気がした。

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深夜にもかかわらず 駆けつけて下さった主治医の先生や 長女おねがいが大好きだった星野看護師さんに
心よりお礼申し上げます。

またS病院🏥の先生方、看護師さん、院内学級の先生方、病院の方々に心より感謝申し上げます。

沢山の素晴らしい方々のおかげで、長女おねがいは短い人生でしたが より良い闘病生活を過ごす事ができました。

本当にありがとうございました。

今も感謝の気持ちでいっぱいです。

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