長女のこと:転院した病院で 驚きと 喜びと

31. 転院先のS病院

都内の病院から 画像やカルテを借りて S病院へ夫の運転する車で 高速で2時間。

都内の病院を出るとき看護師さんに「お大事にして下さい。お母さんも 体に気をつけて下さい。」と言って頂いた。
内心 この病院の医師も 看護師さんも ホッとしてるだろうなぁ と思ってしまった。
それと同時に S病院で 絶対に治してもらうから! そう思っていた。

長女の腕は ヘパロックした状態で 点滴の針が刺さったままだった。
夫が車の中で「このまま どっか 遊びに行っちゃうか〜」
長女が 笑っていた。

本気で どこかに 行ってしまいたかった。

それと同時に移動中に 何かがあったら どうしよう?という不安もあった。
S病院付近まで着いて私「お昼 何食べたい?   病院に行ったら なかなか 好きなもの
   食べられないから   長女の好きなもの 食べよぅ!」
すかさず長女「マックのポテト食べたい!
夫「よっしゃー!   めいっぱい食っとけ!!」

長女に ポテトLサイズを買ってきた。
美味しそうに むしゃむしゃ食べる長女を夫と二人で 涙を堪えて 見ていた。
(今度 いつ食べさせてあげられるだろう。)

笑顔で見つめながら 涙を流している両親を 長女は どんな風に感じていたのだろう。
このまま 時間が止まって欲しかった。
しかし 現実が 押し寄せてくる。

長女は 麻痺が進行し嚥下困難の症状が出てなかなか 飲み込めなくなっていた。
食べたくても 食べられない。
ポテトも 少ししか食べられなかった。

その状況を見て、やはり S病院へ行くしかなかった。

32. 院内学級

S病院は 同じ県内ではあるが、自宅からは 高速で1時間半位かかる周りに何もない 丘の上に建っていた。
当時 出来てから数年しか経っておらず、とても綺麗な病院にそして 全てがゆったりと造られた 広々した開放感に長女と私は「わー 綺麗」 テンションが上がった。
そして長女も 私も大好きな スターバックスコーヒーが入っていた

コーヒーが大好きな私にとってコーヒーの香りは リラックス効果があった。
S病院に着いて 直ぐに Y先生が 診察してくれた。
診察室に居たY先生は とても穏やかで 優しい新聞の記事の 印象通りの 医師だった。
長女に 私が「新聞に載ってたまんまの先生だね〜」と声を掛けると
Y先生「新聞見ました? あの写真 ちょっとおじいちゃんに写ってたよね?
長女に声を掛けてくれた。長女は ケラケラ笑っていた。

そしてY先生「前の病院でも 色々検査したと思うけど、ここの病院で もう少し検査して それから 治療するからね。あと、この病院の中は 自由に どこに行っても良いから、
   外に出たい時は 看護師さんや 医師に 相談して下さい。

「え~! 動いて良いんですか?」
驚いた!
都内の病院に居る時は個室か 廊下の先のトイレのみの行動範囲の制限があった。

なのにこんな広い病院でどこに行っても良い!長女も驚いていた。

Y先生「病院内なら   万が一 気分が悪くなっても   直ぐに対応出来ますから、大丈夫ですよ。それから、 病院のご飯だけだと 飽きてしまうかもしれませんので、好きなものを食べてもらって 大丈夫です。

「え~ ! 何でも 良いんですか?」

Y先生「食べた物と 量だけ 看護師さんに伝えて下さい。

長女 嬉しそうに ニコニコしていた。

Y先生「それから この病院には 院内学級があります。体調が良い時は 行くと 同じぐらいのお子さんがいるので、気分転換になると思いますよ。

え〜 院内学級 行けるんですか?

Y先生「本人の体調が良ければ  行けますよ。体調が悪い時は お休みして大丈夫ですからね。」長女も 私もハイタッチしたいくらい嬉しかった。

なぜなら、都内の病院で 広いとは言えない個室に 10日程 二人っきりで過ごし、
病気の為に イライラしていた長女が(イライラや不安感は 病気の症状でした)
強いステロイドの点滴の副作用で 更にイライラが増していたので、これ以上 二人っきりで過ごすのがお互いに 精神的にも 辛かったのです。

しかも都内の病院の脳外科には 子どもは 誰も居なかった。。。
S病院には 同じくらいの歳の子がいる!

長女は すごく人見知りなのに「すぐに 学校に行きたいです!」ニコニコしながら 言っていた。
入院する前は長女「学校なんて 行きたくない!」と言っていたのに。
学校に行けて
友達と一緒に勉強出来る幸せを 痛感したのだと思う。

S病院に転院して 3日目から院内学級に通えることになった。

手続きは完了していなかったが、長女が 早く行きたがっていたので先生方や ケースワーカーさんのご尽力のおかげで長女は 院内学級に 早々に通えることになった。

前日から 何度も  手提げ袋に 筆記用具を入れては 確認して楽しみにしていた 長女

長女「どんな お友だちがいるかなぁ〜
久しぶりに 笑顔いっぱいの 長女を見た。

元気で 学校に通っていた時とは 別人のようだった。
学校に行けること、友達と一緒に 学べることの幸せを痛感したのだと思う。

33. 院内学級への初登校

初登校の日は朝も早々に起きて 身支度を終わらせ1時間以上前から 準備万端で病室で 自主勉強をして 30分前から そわそわしていた。
広い病院とは言え、院内にある教室なので、病棟から 5分あれば 確実に着くのに
始業15分前には 長女「もう 行く!」待ちきれなかったのだと思う。

麻痺の為に 歩きに辛い体で 一生懸命歩いて 登校した。
院内学級の前で 入るのを躊躇していたら先生がドアを開けて
先生「おはようございます!   はじめまして!」と 笑顔で 出てきて下さった。

長女おねがいが 一番のりだったが照れ笑いをしながら 教室に入り一度振り向いて 笑顔で手を振ってくれたので、安心して その場を去れた。

昼食前に 迎えに行くとお友だちと一緒に 笑顔で出てきた。みんな 同じ病棟の子ばかりだった。

みんなで一緒に 病棟に戻り長女「また 後でね〜」と お友だちに 手を振っていた。

男の子が3人 女の子は 長女と長女と同じ歳の ひなちゃんという子がいた。

病室に戻るなり

長女「これ 貰った〜」 と、時間割を見せてくれた。
長女「大嫌いな 体育が無いんだよ!それにね、休み時間は UNO して 遊んだんだ〜  院内学級 最高だよ!」満面の笑顔で 教えてくれた。

長女が 体育が苦手だったのは 病気の為だったのに全く気づいていなかったことに申し訳ない気持ちで いっぱいだった。

でも 長女笑顔を見て“転院して この病院に来て 本当に良かった!”心から そう思った。

長女「午後も行くんだ〜」とても楽しみにしていた。
院内学級に通って 長女の笑顔が 格段に 増えた!

とても優しい 院内学級の先生に感謝の気持ちでいっぱいだった。

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