70. 最後の旅行
発病前から「春に 旅行✈️に行きたいね〜」と
家族みんな![]()
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で 話していた。
しかし 秋に 長女
が発病した。
主治医に 旅行✈️に行きたい旨を伝えると
主治医「行くなら なるべく早く 退院したら 直ぐの方がいい!」
と言われた。
その言葉で 長女
に 残された時間が短い事を 痛感した。
私
「退院して お正月🎍が終わったら 大好きな所に 旅行✈️に行こうね〜」と
長女
と約束していた。
長女
は アレルギー性鼻炎の為 日本だと気候の良い 春や秋は花粉症で 体調を崩す事が多かったが そこは 埃も無く 長女
にとって 唯一 プールに入ったり 海🏖に入ったり出来る 夢の国だった。
旅行✈️に行ける事を 心待ちにしていた。
私にとっては 長女
が 違う土地で 体調を崩したら… 気が気じゃなかった。
主治医に 診断書を書いて頂き 予備の薬💊も貰って 持病がある人でも入れる保険の 期間いっぱい 旅行✈️に行くことにした。
旅行時に持参した 診断書
手元に カルテを残さなかったので長女が頑張った貴重な証
71. 最後の夢の国
移動中 風邪🤧をひかないか インフルエンザにならないか 心配して マスクをしていた 長女![]()
多分 半分は じろじろ見られたくなかった為もあると思う。
寝てる間も マスクのズレを 気にしていた。
目的地に着いたとたん
長女
「ママ マスク取ってもいい?」
自分から外していた。
長い旅路で 疲れていたと思うが 長女
は満面の笑顔だった。
長女
「やっと 着いたね〜 やっと 来れたね〜」
その笑顔を見れただけで 本当に幸せだった。
来れて 本当に良かった。
長女
と 長男
と 次女
と 私
と 私の母👵で先に到着した。
毎日 プールに入ったり 海🏖に入ったり
毎日 毎日 のんびり過ごした。
療養するには ぴったりの場所だった。
泊まっていた部屋から 隣の教会⛪️が 良く見えた。
何組かのカップルが 結婚式👰🤵を挙げていた。
長女
「のんちゃんが 大きくなったら ここで結婚式するから その時は のんちゃんが ママを連れて来てあげるからね〜」
私
「楽しみにしてる〜」
長女
は ずーっと 結婚式を挙げている カップルを見つめていた。
私は そんな長女を見て 涙を堪えられなかった。
どうか 神様 9歳の彼女の夢を 叶えてあげて下さい
私は 毎日 毎日 祈った。
72. 兄家族との合流
数日後 長女
が大好きな 私の兄家族が 到着した。
長男と同じ歳の姪っ子と 次女の一歳上の甥っ子と。私たち家族も全員合わせて 子ども5人 大人4人。
2ベットルーム 2バスルームの広いコンドミニアムに移って 子どもたちも 大人たちも あまりの広さに 大興奮だった。
海🏖でいっぱい泳いだり、ベランダでご飯を食べたり、
子ども5人 浮き輪で繋がって泳いだり。
このまま 時間が止まって欲しかった。
ずーっと 長女
が大好きな人達と ずーっと 好きな事だけして 過ごしていたかった。
沢山 笑って過ごしたら 癌細胞が減ってくれるような気がした。
奇跡が起きるよう 毎日毎日 祈っていた。
しかし 楽しい時間は あっという間に過ぎてしまった。
8日間の滞在を終えた兄家族が先に帰る前日 長女
は 泣いていた。
翌朝 目覚めた長女
が 一人 ベットで 右手をマッサージしていた。
嫌な予感がした。慌てて 隠した長女
に 何も聞けなかった。
73. 懇願
兄家族が帰る日 私たち![]()
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👵は コンドミニアムから市街地のホテルを移動した。
長女
「買い物もしたい!」 と言っていたので 兄家族が先に帰るというさびしさを 紛らわせる為にも 当初から 移動する予定だった。
お互い バタバタしていたので、長女
も 涙ぐむ程度で 兄家族とバイバイでき、別のホテルに向かった。
私の母👵がとってくれた そのホテルは全室スイートが売りのホテルだったが、
それまで あまりに広い部屋に泊まっていたので
長女
長男
次女
「あれっ?」 という感じだった。
それでも 大喜びの長男
と 次女
が 「きゃーきゃー!」
騒いでしまい 隣の客室から ノックされてしまった。
静かにするように注意するも しばらくすると また 隣の客室からノックされてしまった。
長女
は 病気の為の不安もあり
長女
「もう 帰りたい。。。。」と泣き始めてしまった。
説得するも 帰りたい気持ちは 変わらず。
この旅行✈️が長女
にとって 最後の旅行になるでしょう
そう 主治医の先生に言われ やっと来れて 間も無く 夫が来るというのに。
私
「あと数日で お父さんも来るし お父さんも 楽しみにしているから。」
いくら説得しても 長女
の帰りたい!という気持ちは 変わらなかった。
隣の客室のノックの 恐怖と 兄家族が帰ってしまった 寂しさと もう一つ 長女
には 重大な理由があった。
長女の手帳に書かれていた2012年の抱負
74. 交錯
帰りたい!と泣く長女
に
私
「じゃあ とりあえず今日は 行きたかった 買い物に行こう!」
と 誘ってみた。
長女
は なんとか 買い物に行く気になった。
しかし 少し歩くと ふらつく。疲れでは ない。明らかに おかしい!
朝 長女
が ベットで 右手をマッサージしていたのは
右側の麻痺が進行している事に 長女
が 気づいたからだった。
「なんでなの」という気持ちと「やっぱり」という気持ちが激しく交錯した。
落胆している事を 長女
に気づかれないよう必死だった。
当時のベビーカーには 後ろに ステップを付けていたが ベビーカーに長女
を乗せて 長女
が 楽しく買い物出来るよう努めた。
ホテルに戻って 慌てて病院に電話した。





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